おもちゃとかかわって10年位経ったころ、ようやく、子どもたちは将来社会で生きていく人間になるために遊ぶのだということが分かりました。社会で生きていくためには、豊かな社会性が必要です。そして、それは遊びの中でしか育ちません。例えば、相手の気持ちを理解するためには、豊かな想像力が必要ですが、その想像力を育てる遊びの一つが「ままごと」です。 遊びには、その子の発達が目に見える遊びと見えにくい遊びがあります。若いお母さんの中には、パズルなどの目に見える遊びをさせたがる方が多いようです。子どもたちが何か遊びができるようになると、親としては嬉しいし、安心もします。その気持ちはよく分かります。 でも、0~6才のこの時期、本当に大切なのは、ままごとなどの心を育てる目に見えない遊びです。なぜなら、心は毎日の積み重ねで、他の遊びのように後から補うことができないからです。ですから、いつでもその世界へ入れるように、お家にままごとのコーナーがあるのはとても大切なことなのです。